アークバーン魔法学院物語



〜その2〜



 
 転送魔法で瞬時にジッカラートの旅館に着いた魔法学院一行。
たちは自分の国とは違う建築様式の建物を口を開いて見上げる。

「何か凄いねー、全然違う!」

カルチャーショックを受けながら、たちは部屋へと案内された。
そうして荷物を置くと、再び集合し、寺院見学へと出発する。


「あれ。先生が引率なんですか?」

ふと隣を見るとエドワードが立っていたのでは声をかける。

「あぁ。一応学年主任だからな」

そう言うと彼は寺院の作りや美術品に興味があるのかさっさと先へ行ってしまった。
仕方なく辺りをキョロキョロと見回すと、シャルトリューの姿を見つける。

「先生はもしもの時の為の引率ですよね」
「ええ。勿論何もない事を祈ってますけどね」

優しく微笑むと「日差しが強いので日射病に気をつけてくださいね」と言い、彼も傍を離れていった。

――先生たちも…楽しんでるみたいだな。

は彼らの後姿を見てクスッと微笑んだ。



 ――その晩。
食事も済み、就寝の時間までではあるが自由時間となった。
同じ部屋の女子は今はいない。
何と好きな人に告白をしに行ったのだ。
どうやら学院では修学旅行中に好きな人に告白するというのがこの行事のメインイベントのようで
朝から女の子の間ではそんな話で秘かに盛り上がっていた。
はというと、当日までそんな事は知らなかったので、勿論、告白などする予定もない。

――それでも、そんな話を聞いたら意識してしまうではないか。

ブツブツとそんな事を呟きながら、は布団の上で膝を抱える。

好きな人が…いないわけじゃない。
気になる人はいるし、この旅館にいる事はいるけれど…。

そんな事を考えていたら、途端にその人物に会いたくなってきた。





「…レジェンス」

「…ククル」

「…シャルトリュー先生」

「…ランくん」

「…カルトス」

「…エドワード先生」

「…レノンさん」

「…ヤン」