.Stand by me.


―玉座―

 紫玉を手入したバーン国はアーク国もそろそろ4つ目の宝玉を入手するという情報を手に入れた。

「…チェリスの関所で待ち伏せしましょう。必ず奴らは通ります」
「…」

エドワードの言葉にの表情は曇る。

(…とうとう…争いになるの…?)

「…そうだな」

カルトスの表情も硬い。

「私も…!私も行く」
「いいだろう」
「…」
「…」

彼女の気持ちと、自分たちの立場上からの考えを思い、男たちは視線を落とした。

「…利用されると知って行くというのか」
「…うん、それでも会いたいの」

ピクリとある人物の眉が動く。

「…会って話をして、戦わずに済むなら、それがいい…」
…」
「私にも何か出来る事があればと思って。
 …私はバーン国もアーク国も関係なく、この大陸に生きる全ての人が幸せに暮らせたらって思うから。
 だからそういう意味で私は皆と戦う!!」

凛としたに男たちは見惚れた。
気づけば、アークからこの不思議な少女が来てからというもの、皆に笑顔が増えたように思える。
大臣のようにあまり良い顔をしない者もいるが、城にいる殆どの者から彼女は愛されていた。
それを思うと、尚更彼女を使って交渉しようという考えが嫌になる。
誰もがそんな思いでを見つめた。

「…では、明後日の早朝に出発する。支度をしておくように」
「は」
「かしこまりました」
「了解しました」

そしてカルトスの言葉通り、一行は宝玉4つを持ち、チェリスの関所へと旅立った。



―チェリスの関所・アーク国側―

 「…来ないね」

(来て欲しくもない気がするけど)

「…少し、そこら辺を歩いて来たらどうだ。顔色が悪いぞ」
「…うん、そうする」

は朝から身体のだるさを感じていた。
最近、バーン国内をいろいろ旅しているので疲れが溜まったのだろう。

「魔物に気をつけてくださいね」
「は〜い」

そうして関所から少し離れた所にある野原をゆっくりと歩く。


 「…は〜。時間がゆっくり感じる」

は平らな石の上に座って流れる雲を見上げていた。

「このまま…何事もなく平和にならないかな」

(そしたら私は…このままずっとあの人の傍に…)


「カルトス…」

「エドワード…」

「レノンさん…」

「ヤン…」