第8節
リオはサンティアカから3日ほど北西に歩いた場所にある。
森に囲まれた村で、もともと魔物が多く生息していた場所ではあったが
カイトたちはその森に辿り着くまでに数多くの魔物と遭遇し、普通なら3日で着く筈だが今日はもう3日目の夜になっていた。
「う、ぅ……」
は薄暗いテントの中で唸り声をあげた。
いくら彼女が剣の訓練をして実戦に慣れてきたとはいっても、やはり男と女の体力には大きな違いがある。
戦いながら先へと急ぐその華奢な身体には、見えないけれども疲労が溜まっていたのだろう。
2日目の夜にはバタリと倒れてしまったのだ。
そして約丸1日眠り続け、今に至ったわけである。
そんなに寝たにもかかわらず、彼女の身体は動かない。
「……?」
テントの入り口が少し開く。
誰かが様子を見に来たようだ。
「……カイトさん?」
「……アステムさん?」
「……リットンさん?」