「……身体の調子はどうだい、?」
テントの入り口からリットンが現れた。
「……まだ……動けません」
喉がカラカラなのと、倦怠感で声が出ない。
すると彼はの傍に座って彼女の額に手を当てる。
「……まだ熱があるみたいだね。しつこい毒だな」
「毒、なんですか?あぁ、それで……」
それでこんなに休んでも身体がだるさがとれないのかとは納得する。
「……でも気づかなかった。いつ毒にやられたんだろ」
薄っすらと倒れる前のことを思い出してみる。
しかし、毒を持つ魔物になんて出会っていない筈だ。
「実はね、カイトが誤って毒キノコを昨日の夕食に混ぜたらしいのだよ」
「え?……あぁ、じゃああのシチューのキノコが」
成程、それで食後から何だか気分が悪かったのか、と呆然とした頭では目を瞑った。
「薬を持って来たから飲むといい」
「ありがとうございます」
そう言って起き上がろうとするが身体に力が入らないを見て、リットンは彼女の肩と背中を支えて上半身を起こしてやる。
「自分で飲めるかい?」
「はい」
そう言って毒消しの薬草を煎じた粉と水を渡すと、彼はそのまま肩を抱いて身体を支えてくれた。
リットンの優しさに感謝しながらはゴクゴクと薬を飲む。
「……ふぅ」
薬は苦いが気分的に楽になった気がする。それに喉も潤った。
の顔に少しずつ生気が戻ってくる。
「それから、気持ちの落ち着くお茶を入れてきたよ。これでゆっくり眠れる筈さ」
「ありがとうございます、リットンさん」
「どういたしまして。やはりは元気に笑っている方がずっと美しいからね」
そう言ってリットンはそっと頭を撫でる。
胸がくすぐったいような気がしながらもは微笑んだ。
その顔を見てホッとしたのか、彼の表情も穏やかなものになる。
そうして彼女にお茶の入ったカップを手渡し、またそっと背中を支えた。
はゆっくりとそのお茶を飲んでいく。
そのお茶の効能が果たして1杯で効くのかはわからないが、それでも自分の為にお茶を入れてきてくれた彼の優しさが嬉しかった。
「ごちそうさまでした」
そう言うと、リットンはカップを受け取り、そっと彼女を横たわらせる。
「元気になれそうです」
微笑むとリットンも笑った。
「早くそうなってくれるといいがね。の笑顔は私の力の源だから」
彼はそう言って、汗で額に張り付いた彼女の前髪をそっと梳き、毛布を整える。
……何だか今日のリットンさんってお父さん……いやお母さんみたい。
優しくて温かくて良い匂いがして……大好きな――
そんなことを思っていたら、はいつの間にかスヤスヤと眠っていた。
リットンはその安らかな寝顔を見ると嬉しそうに微笑み、優しく頭を撫でる。
「君は本当に不思議な子だね、」
そう呟くとリットンは胸ポケットに入れている懐中時計を取り出し見つめる。
「君と一緒にいる時間は短い筈なのに……」
どうしてこんなにも親しみを持ってしまうのかな、と言うと仲間になったばかりの少女にそっと目を落とした。
相変わらず、missingの更新遅くてすみませんっ……!!
1ヶ月ぶりかぁ……。
しかし今回は分岐することができました☆
今回はちょっと寄り道です。
まぁ、こんなことでもないと恋愛イベント起こりませんので。
といってもまだまだ恋愛は皆無ですが……(;´▽`A``
だ、段々リットンがいい男になってきてしまっている!!!!
ヘタレ設定だったのにぃ……!
まぁ、戦闘中はヘタレという設定なのでそこまで崩れてもいませんが……。
一番、恋愛シミュレーションゲーム等で出てきそうなキャラかと。
無駄に紳士。(……酷い言われようだが)
一応彼にも秘密を作ろうかと考えていますので
リットンが好きな方は楽しみにしていてくださいね^^
(根本的にmissingは更新が遅いので……いつになるかはわかりませんが……。)
こんなmissingですがどうぞこれからも宜しくお願いします!
更新が遅めですけれども……。
それでは、ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございました!!
吉永裕 (2006.6.9)
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