隣の石田くん   第18話?




 それから1週間後。
生徒会長がフリーになったという噂は一気に学校中に広まり、彼は色んな所から呼び出しがかかっていた。

「大変そうね、会長」
「ホント。休む暇ないみたい」

学食の窓の向こうに微かに見える会長と女の子のシルエットを眺めつつ呟くと、食事を食べ終わったミヤと私は手を合わせる。

「…まぁ、ボチボチ別れると思ったけどね」

売店の前の自販機で買ったコーヒーを飲む彼女の言葉に私は身を乗り出した。

「え?何で?ミヤは石田くんが振られた原因って分かるの?」
「…まぁね。多分気づかないのは本人だけでしょうよ。 ――あ。あんたもか」
「え〜教えてよ」

そう言って頬を膨らませると、ミヤは穏やかな表情を向ける。

「…自分で気づかなきゃ意味無いのよ。こればっかりは。 他人が変に口出すとおかしなことになるモノなの」
「何なの〜?意味わかんない」

そう言うと、彼女はトレイを持って立ち上がった。
慌てて自分も片付け、トレイを持ち彼女の後を追う。

「っていうか、あんたは友松のことはどうなの? デート、したんでしょ?」
「えっあっうん!楽しかったよ!!」
「そう。…その割には石田のことばかり話すのね」
「え…?」

キョトンとした表情の私を見て、ミヤは苦笑する。

「…あんたも、石田も……バカよね」
「な、何よぅ!」

――そんな彼女の言葉の意味が、その時は全然理解できませんでした。









今回は会話中心の短い話ですみません。
でも、何となく今後の展開がつかめてきたでしょうか^^;

多分、最終的には皆様のご期待通りの展開になると思いますが…
それまでは色々と「え?」なこともあるかもしれません。


吉永裕 (2008.12.14)



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