隣の石田くん  第12話?




 ――その後も、散々他の友達や生徒会メンバーに笑われながらも、やっと午前の営業時間が終了した。

「じゃあ、ミーティングするから後で生徒会室に来いよ」
「はいはい」

そう言うと石田くんは教室を出て行く。
私は先程まで混雑していた教室の机を拭いたり、メニューを整えたり、一通り片付けてから鞄を持って生徒会室へ向かった。
 

 「あ、お疲れ〜」
「大変だったな」

相変わらずメイドの衣装を着ている私を見て、皆が笑う。

 …もう慣れたけどね、散々指差されて笑われたし。

苦笑しながらも私は席についた。
そうしてお弁当を取り出す。
正直、さっきまで色々なニオイが充満していた場所にずっといたのでお腹はすいてはいないのだが、
午後からは30分間ぶっ通しで走らなければならない。
しかも、一対大勢。そんな中、自分の身を守る為にも本気で逃げなければならないのだ。
エネルギーはとっておいた方がいいだろうと思い、えいっとサンドイッチを口に詰め込んでお茶で流し込む。
隣に座っている会長は売店で買ったメロンパンをモリモリと食べ、それを食べ終わると今度は小さなチョコクロワッサンを食べている。

「…何だよ」
「…いや、何ていうか……」

前からずっと思っていたけれど、本当にこの人甘いの好きだな。
体に似合わず…と言ったら殴られそうなので黙っておく。

「栄養のバランスが偏ってると思うけど」
「じゃあ何かくれ」
「まぁ、いいけど――あ、こら!」

言い終わる前に、弁当箱の中からヒョイとタコさんウインナーを持っていかれた。

「別にいいだろ、お前この赤いウインナー嫌いだろうが」
「…うん、まぁそうだけど。 今までそんな好き嫌いの話、したことあったっけ?」
「…さぁな」

そう言うと石田くんはプイっと顔を背けて、袋からまたチョコクロワッサンを取り出すと一気に口の中に放り込む。

「…何かさ、異様な光景よね。メイドとホストがおかずの取り合いなんて…」
「確かに」
「写真でも撮っとく?」
「おぉ、そうすっか」

他のメンバーはそう言うと、いきなり携帯で私たちを撮り始めた。

「何!? この恥を一生残すつもり!?」
「そうね。何かあった時に脅迫にでも使おうかしら」

ミヤはすました顔でそう言うと、ニコッと笑ってみせる。

「そんなぁ…」

へなへなと私がうな垂れると、頭の向こうの方から笑い声が聞こえてきた。

「まぁ、でもこの2人はホント見てて飽きないよね」
「だよね。特に及川」
「からかい甲斐があるっていうか」
「反応が面白いって言うか」
「及川を副会長に選んだ生徒会長に拍手!」

『パチパチパチ…!!!』

と意味のわからない拍手が巻き起こる。

「…お前、結構大変だな」

そんな中、初めて石田くんが私に労いの言葉をかけてくれたのだった…。












くだらない内容ですみません…。
全然ミーティングしてないやんけ〜って感じですよね^^;
どうも私は書きたい話にもっていくまでが時間かかります……。反省↓↓


吉永裕 (2008.12.14)



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