「リットンさん。どうかしました?」
はリットンの顔を見上げる。
「さっき寒いと言っていただろう?」
そう言うとリットンは腰のバッグから何かを取り出しに差し出した。
「何ですか?これ……」
「これは保温袋といってね、熱を出す鉱物を細かく砕いて袋に入れているのさ。
寒さに弱い植物なんかを任務で届けたりする時に使うのだよ」
そうしてリットンは彼女の手に保温袋を乗せる。
「あ……温かい!」
物珍しさには笑顔を浮かべた。
それを見て彼はクスリと笑う。
「あげるよ。使うといい」
「あ、ありがとうございます」
は深々とお辞儀をする。
「どういたしまして」
そう言ってリットンは彼女の右手を手に取った。
「生憎、保温袋は1つしかないのでね、こちらの手は私が温めてあげよう」
「え!? あ、あの……」
動揺するを見て笑いながらリットンは彼女の手を優しく握り、歩き始める。
その優しく穏やかな笑顔に何も言えなくなったは俯きリットンについて歩を進めた。
――あ、花の香り。
ふわりと風が花の香りを運んできた。
しかし野に咲く花の香りではなく、それは恐らくリットンのものだとには見当がついていた。
いつも色々な花のお茶を持ち歩き、疲れた時にそれをご馳走してくれるリットン。
彼の傍にいるだけでその素敵な香りに癒される。
――リットンさん自身も、優しい人だから癒されるしな。
はそっとリットンの横顔を窺い見る。
するとそれに気づいた彼がニコッと微笑みかけた。
「、君の手は思っていた以上に小さくて細いんだね。力を入れると折れてしまいそうだよ」
リットンはの歩調に合わせて歩きながら呟く。
「……そ、そうですかね?リットンさんの手が大きいだけじゃ」
大きくて硬い手に普段は感じなかったリットンの男らしさを感じる。
そんなちょっとした発見にどきりとしてしまうだった。
うわ〜こんなにも更新が遅くなってしまってすみませんっ!!
分岐はしましたが……。約2ヶ月とちょっとぶり……。
本当に申し訳ありませんっ(><)
次第に……それらしくなってきましたでしょうか……。
リットンは書いててこっぱずかしいです。
このヘタレ変人紳士が〜!!!!
でも考えていて一番楽しいんですけども。
そんな変人のリットンが好きな方は、アステムルートのオマケをご覧になってください^^;
というわけで、まだまだ続くであろうmissingを今後もどうぞ宜しくお願いします!
それでは、ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございました!!
吉永裕 (2006.10.8)
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