「…アゲハくん…」
の前にはアゲハが立っていた。
「アゲハ、何故邪魔をするの!?」
伊絽波は彼に詰め寄った。
「白巫女は…オレがやる」
に背中を向けたまま静かにアゲハは口を開く。
「――お前は…邪魔だ」
シュっと素早く伊絽波の背後に移動すると、彼は彼女の首に手刀を打ち込む。
すると伊絽波はフラリと身体を揺らし、意識を失ってその場に倒れた。
「…助けて…くれたの?」
「…」
アゲハは無言で俯いた。
「…何で来たんだよ」
「だって――」
「オレはあんたに生きてもらいたかったんだ!!」
顔を上げたアゲハの目からは涙がボロボロと零れている。
「…だって、会いたかったんだもん」
は静かに呟いた。
その言葉を聞いてアゲハはハッとする。
「この命に代えても、貴方を救いたいって思ったの」
自分の胸に手を当てたまま、彼女は俯いた。
「バカ野郎!! あんたの命でオレが救われて堪るかよ!!
のいない世界で生きてどうする…」
「…アゲハくん」
は悲痛な表情で同じような顔をするアゲハを見つめる。
触れたい。
彼を抱き締めたい。
こんなにも触れられないことが辛いことだなんて。
「このまま帰ってくれ。イロハを連れてここから出ろ」
「嫌よ…っ!!」
思わずはアゲハに掴みかかりそうになるが、咄嗟に身体を止めた。
それに気づいたアゲハはフッと力なく笑う。
「…あんたがそんな風にオレを人間扱いするからオレは…」
裏切ることなんて許されない。
その時点で自分は消えてしまう。
そんな想いを抱きながらもアゲハは笑った。
「――バカだよな。白巫女に絆されるなんてよ」
「アゲハくん…?」
は泣いたり怒ったり笑ったりする彼の心が掴めずに不安な表情で彼を見上げた。
そんな彼女を見つめてアゲハは口を開く。
「――好きだ、」
こんな中途半端に終わらせて本当にごめんなさい。
アゲハは他の話よりも早めに終わりそうです。
これ以上は延ばせない…!
きっと最後には幸せになれる筈…!
ラブラブになれるかは…う〜ん、ですが。
それでは、ここまで読んでくださってありがとうございました!!
次回をどうぞお楽しみに…☆
吉永裕 (2006.3.2)
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