10.決着


―朝―

朝早く部屋に戻ったは皆に宛てて手紙を書いた。

『アーク国とバーン国の皆へ』

それを洋服のポケットに入れる。

「…よし、行くか」

は部屋を片付け、扉を開けた。



―ラスティア山・頂上―

たちが頂上に着くとそこにはすでにレジェンスたちがいた。

「…来たな」
「…では、始めるか」

(…始まるのね。宝玉をかけた戦いが…)

は悲しいけれどもこの戦いを見届ける事にした。

(空しい戦いだってわかってる。 でも、人は大切な物の為には戦う事も必要だから…)

決意を決めたの耳に金属のぶつかる音が響く。

『キンッ!』

剣と剣がぶつかり合い、魔法で氷や炎が飛び交う。
辺りに落ちていた小石や小枝が衝撃で飛び、顔を掠めた。

(きっと命を落とすような事はしないはずだ。 でも…、酷い怪我をするかもしれない)

男たちの戦いを泣きながら見つめる。
目の前で戦う男たちの身体にはかすり傷が増えていった。
薄っすらと滲む血には目を背けたくなるがぐっと堪えて前を見据える。
しかし、ある人物の右腕から鮮やかな血が噴出すのを見ては咄嗟に駆け寄った。


「カルトスっ!!」

「エドワードっ!!」

「レノンさんっ!!」

「ヤンっ!!」