9.決着


―朝―

朝早く部屋に戻ったは皆に宛てて手紙を書いた。

『アーク国とバーン国の皆へ』

それを洋服のポケットに入れる。

「…行こう」

は部屋を片付け、扉を開けた。



―ラスティア山・頂上―

たちが頂上に着くとすでにカルトスたちがいた。

「来たか」
「…始めよう」

(…始まるんだ。宝玉をかけた戦いが…)

はどうする事も出来ず、この戦いを見届ける事にした。

(…私が皆を説得できてたら)

後悔するのと同時に金属のぶつかる音が響く。

『キンッ!』

剣と剣がぶつかり合い、魔法で氷や炎が飛び交う。
辺りに落ちていた小石や小枝が衝撃で飛び、顔を掠めた。

(駄目だ、やっぱり見てられないっ)

は男たちの戦いから思わず目をそらす。
しかし、声がして目を開けると愛しい人が右腕を負傷していた。


「レジェンスっ!?」

「ククルっ!?」

「シャルトリューさんっ!?!」

「ランくんっ!?」