「じゃあ、私、雑貨屋に行きます。そこで民芸品の事とか聞く振りして探りを入れてみます!!」
「ってば、頼もしいね。ボクも一緒にいくけど、でも、気をつけてね」
「うん!!」
―雑貨屋―
「これ可愛いなぁ」
「、そのコサージュ似合ってるよ」
「ありがとう。…でも、もっとこの土地ならではのアクセサリーが欲しいかも」
2人は棚に並ぶアクセサリーを眺める。
「あ、この赤い石がついてる髪止め、可愛いね」
「あ、ホント!! すみませーん!」
そうしては店員を呼ぶ。
「この石って何なんですか?」
「これはこの近くで取れる鉱石なんですよ」
「へぇ…。これも可愛いんですけど、もっと大きい石ってないですか?」
「そうだねぇ…」
「そういえば、ボク。この村には綺麗な石があるって聞いた事あるんだけど」
絶妙のタイミングでランが例の話題を持ち出した。
「え?…あぁ、北の洞窟にあるあの石の事か」
店主は一瞬キョトンとしていたが、ポンと手を合わせると大きく頷く。
「洞窟?どうしてそんなに噂になるような石が洞窟なんかにあるんです?」
「さぁな。だが、その洞窟には強い魔物がたくさんいるから誰もその宝玉を見た人はいないらしい」
「へぇ…。興味あるけど魔物は怖いなぁ。残念だけど石を見に行くのは諦めよう」
「そうだね。…あ、このロザリオ、ください」
「お、ありがとなっ!」
さすがに何も買わずに店を出ると怪しまれるかもしれない為は一番安いロザリオを買った。
「うまくいったね!」
「うん!宝玉の場所もわかったし、魔物がいるって事もわかったしね」
「じゃあ宿に戻ろうか!それから作戦会議!!」
「うん!!」
―次の日―
「…ここが例の洞窟か」
「…不思議な力を感じます。どうやら、噂は本当のようです」
ひんやりとした空気が辺りを包んでいる。
しかし微かに何かが中にいるような気配も感じた。
「…つまり、本物の朱玉って事ですね」
「気をつけろよ。どこから魔物が襲ってくるかわからないからな」
そうしてを含めた5人は洞窟の奥へと歩を進める。
「…何だかドキドキしてきた」
「、大丈夫?」
ランがの顔を覗き込む。
「う、うん!ちょっと洞窟の中が暗くてジメジメしてるから気色悪いな〜って思って」
「そっか。怖くなったら言ってよね?我慢しなくていいからさ」
彼の言葉で少し元気が出て彼女の顔に笑顔が浮かんだ。
「うん。ありがと、ランくん」
そうして薄暗い洞窟の中を一行は更に進んでいく。
『バサバサバサっ!!』
「きゃっ!!」
突然洞窟内を飛ぶコウモリには驚く。
「大丈夫?」
「うん。ゴメン、派手に驚いちゃって。てっきり魔物かと…」
(っていっても魔物ってどんなものか知らないけど)
「ううん。気にしなくていいよ。女の子ってこういう所、怖いんじゃないの?」
「怖いっていうか、気味が悪いっていうか…」
「そうだね。あ、じゃあ…」
そう言うとランはの手を握る。
「ら、ランくん!?」
「ここ、滑りやすそうだから」
「あ、ありがとう」
強く握られたランの手がとても頼もしく思える。
「の手って、小さくて可愛いね。それに、身長も意外と低いんだ」
そうして彼は彼女の頭にポンと手を乗せた。
「あ、ランくんって私よりもずっと背が高いんだね」
ランの事をキャラと顔が可愛い為、すっかりは彼をチビッ子だと思っていたのだ。
「手も…大きいし」
「そう?…まぁ、これでも男だからね」
そんな会話に何故かドキドキするなのだった。
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