「じゃあ、情報収集します!私も皆さんの役に立ちたいし」
「そうか。じゃあ、俺と一緒に町の住人に宝玉の事を聞いて回るぞ」
「はい!!」
―町―
「結構、町の人も伝説の事よく知らないんですね」
午前中、町を歩き回ったが、有力な情報が得られず
ククルとはカフェで一休みしていた。
「そうだな。でも、あえて隠してるっていう事もあるんだ。
宝玉っていうのは特殊な力を持ってるらしくてな、それがあると自然にその土地が栄えるらしいんだ。
だから宝玉がある事を隠している事もあるんだよ」
「へぇ〜!ククルさんって物知りなんですね」
アップルティーを両手で持っていたは彼の方へ乗り出した。
伝説や宝玉の事や、土地などについての情報を聞く事は彼女にとってとても楽しい事なのである。
「そうか?…っていうか、俺には敬語使わなくてもいいぞ?
見た目、お前は俺とそんなに年変わらないみたいだし」
「そう言われると…確かに同い年くらいかも」
しかし騎士団の副隊長をしており、修羅場をくぐって来ただけあって
同世代の青年よりはどこかキリッとしている雰囲気を醸し出しているし、
話をしていると何だかお兄さんのように頼もしく思える。
「…ククルって、何歳?」
「18だ」
「18歳かぁ。うん、そんな感じ」
「お前は…って、記憶喪失中だったな」
「うん」
その言葉を聞いて少し胸がチクリとする。
「じゃあ、お前も18歳って事にしようぜ。誕生日は…、今日にしとくか」
「え…」
「昨日にするのもいいかと思ったけど、それだったらもう終わっちまったしな」
「…」
ククルの優しさに胸がじんわりと温かくなった。
「…早くホントの誕生日、思い出せたらいいな」
「…うん。ありがとう、ククル」
ククルと少し仲良くなれた気がする。
は笑ってカップを置いた。
「さ、情報収集の続きだ」
「うん!!」
そうしてたちは情報収集を再会するのだった。
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