「じゃあ、道具の買出しします!私も皆さんの役に立ちたいし」
「だったら、ボクと一緒に行こうか」
「うん!!」



―町―

 「これで薬草は補充できた?」
「うん。あとはね、毒消し草と包帯と飲み水入れる為の水筒かな」
「了解!」

そうして2人は先程よりも大きな道具屋に入っていく。

「ランくん、これは?」
「ちょっと痛んでる所があるから、こっちの方がいいかな」
「あ、ホントだ。じゃあ、毒消し草はこっちので…」
「包帯と水筒もこれくらいあったらいいか」

そうしてランは手際よく会計を済ませる。


 「それにしても、ランくんってしっかりしてるね」
「そう?」

店から出るとはランに感心した様子で話しかけた。

「うん。だってパッと見ただけで不良品とか見分けちゃうし、怖そうなおじさん相手でも上手に値切っちゃうし」
「あはっ。まぁ、これでも商人一家の人間だからね。昔から値切り癖がついてるんだ。
 …でも、一緒にいるは恥ずかしかったよね?ごめん…」
「恥ずかしくなんかないよ。むしろ尊敬しちゃった」
「そう?何かそう言われると照れちゃうな」

ランはほんのりと頬を赤らめる。
あぁ、可愛いなぁとは微笑んだ。

「…ところで、ランくんって何歳?」
「ボク?16歳だよ」
「16歳かぁ。まだ若いのにしっかりしてるね」
「若いって…。だって若いじゃない」
「それはそうだけど。でも、どう見ても私はランくんより年上だし」

そう言いはランの全身を見つめ、自分と見比べる。

「う〜ん…。まぁ、そうなのかな。って何だか大人っぽいし」
「大人っぽい!? そうかな?」

意外な言葉に驚く。

(もしかして老けてるって事だったりして…)

「まぁでも、ランくんは可愛らしい雰囲気出してるから尚更年下に思えるのかも」
「可愛らしい…」

一瞬、ランの表情が曇った。

「あ、ごめん。男の子に可愛いなんて言って」

そうだ、男が可愛いなんて言われて喜ぶわけがない。
はうん、と頷いて再び謝った。

「まぁ、慣れてるから…。それより荷物貸して?」

苦笑しながらランは彼女の持っていた荷物を取り上げる。

「え!? あ、あの私、持てるから」
「いいよ。重いでしょ?」

笑顔でランは2つの大きな荷物を背負って歩いていく。

(ランくんって見かけによらずパワフル…)

「ありがとう、ランくん」
「いえいえ。さ、宿に戻ろ!」
「うん!!」

そんなこんなで、少しランと仲良くなれた気がしただった。



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