Tilia puella occurrit少年と少女の出会い 〜その1〜


「……お前のその眼は
 人に愛される為
 天から授けられた」



師匠の使いの帰り
近道しようと山道を選ぶ
静かな山に微かに流れる歌声
母から子へと贈られる子守唄

掠れた声は子どものもので
馬を繋ぎ慌てて探す
月明かりとランタンでは心許無い
か細い声にじっと耳を澄ました

「私が死んでも世界は変わらない。
 けれど生きることで何か
 変わる未来があるならば
 私はその未来の為に生きたい。

 そう思っていたけれどやはり無理のようだ。
 お前を連れてくるべきでは
 なかったのにすまない。
 私の死後この身体を食べるといい。

 二、三日くらいは腐ることもないだろう。
 私の死でお前が生きる
 それが私の死ぬ意味ならば
 今度こそ喜んでここに眠ろう」


この子を死なせてはならないと
声の元へ必死に駆け寄る
月明かりが照らす崩れた崖の下には
スナネコを抱き倒れている少女

どうしてこんな少女が
死を受け入れなければならない
何が彼女をこうさせてしまったのか
人の心か それとも悪しき風習か

「“私が死んでも世界は変わらない。
 けれど生きることで何か
 変わる未来があるならば
 私はその未来の為に生きたい”

 そう思っていたのなら生きていてほしい。
 いつか生きてきて良かったと
 君が思う日が来るまで
 僕は君を守り君を生かそう」

腕の中の少女が目を開ける
立ち竦んでしまう程に
美しく儚げなRhodoniteロードナイト
その時から僕は彼女に囚われた……






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※タイトルはGoogle 翻訳に任せきりなので文法や言葉の選びが正しくない可能性がありますm(__)m