「Мガムがないと味が分からないのか?」
 「まぁね」
 「いつからだ?」
 「分からない。でも徐々にだと思う」
 「……力を使い過ぎなんだ」
 「仕方がないだろ」
 「それでも、お前がそこまでする必要はないだろ?……もう、充分やったんだ。
  数えきれないくらいお前は21日を、彼女の死を繰り返し見てきた。
  これ以上は…お前が壊れてしまう」
 「それでも、僕はを助けるよ。兄貴はあの子を助けたくないの!?」
 「僕だって助けたいに決まってる!でもな、お前は大切な家族なんだ!
  お前まで失ってしまったら僕は……」
 「……」
 「――最初は兄貴の為だった。唯一信用できる彼女を失った兄貴の悲しむ姿が耐えられなくて
  僕は時間が戻ればいいのにと心の底から願ったんだ。
  そしたら本当に21日の朝に戻ってて……しかも、僕の意識だけ。――そして彼女を救う為の足掻きが始まった。
  それでも彼女を救う為に何度も21日をやり直しているうちに、彼女だから救いたいと思うようになった。
  人の頼みを断りきれないし人の悩みを自分のことのように考えたりして馬鹿みたいにお人好しでさ……。
  あの子には生きて笑ってて欲しいんだ。その為なら僕は何度でもやり直すよ。これは僕の為でもあるんだ」
 「……そうか」











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