アークバーンの伝説 〜Story afterwards〜
+結婚記念日・カルトス編+
今日はとカルトスが結婚した日。
は鼻歌を歌いながら準備をする。
「伸び伸びと外の空気を吸いながらと昼寝をしたい」
王という身分から解放された彼ではあるが、仕事で常に忙しい毎日を送っている為、
昨晩、が「明日はどうする?」とい聞いた時、そんな言葉を口にした。
そういえば、ここの所ずっと忙しくて外をゆっくり散歩する事もできなかったなぁとは思い
「じゃあ明日はお弁当を持ってピクニックしよう!」 と笑顔でカルトスの腕に抱きついた。
彼はそんな妻を幸せそうに見つめ、そっと髪を撫でると額にキスを落とす。
そうして2人は明日を楽しみにしながら、窓から夜空を眺めた。
気持ちのよい風が頬を撫でる。
日差しもそこまで強くもなく、湿度も高くない、心地よい天気だ。
「。景色が綺麗だぞ」
そう言って小高い丘の上に登ったカルトスはシートの上に座って空を眺めている妻を呼んだ。
は笑顔で夫の下へ駆け寄る。 すると彼はそっと肩を抱いてくれた。
丘の向こうにはかつてのバーン城が見える。
今ではもう博物館として一般公開されているが、が初めてカルトスと出会った場所だ。
博物館としてでも残される事になって本当にホッとしている。
今度、彼が休みの日は博物館に行ってみようと思った。
「…こんなにゆっくりと時間を感じるのは久しぶりだな」
バスケットの中の弁当を食べ終わり、2人はシートの上に寝転んでいた。
「カルトス、忙しいもんね」
隣に寝ている夫の方を向く。
「寂しい思いをさせてすまない」
そう言って彼は人差し指で頬を撫でた。
「ううん」
は穏やかな表情でカルトスの手に触れる。
細長い指だが大きいこの手で頭を撫でられると安心するのだ。
「私ね、こうやってカルトスが傍にいてくれるだけで幸せだよ」
子猫のように夫に擦り寄り、彼に腕枕をしてもらう。
「俺もがこうして生きて笑ってるだけで幸せだ」
大人になったカルトスが無邪気な笑顔を見せる。
そうして2人は暫く笑った後「これからもよろしく」と言い合った。
「またピクニックしようね、カルトス」
「あぁ。約束だ」
そう言って2人は寝転んだまま手を繋いで空を流れる雲を見つめる。
ゆっくりと穏やかに流れる時間の中にいる彼らの顔はこの上なく幸せに満ちていた。
短っ!
カルトスは基本的に落ち着いた人なので、こんな感じに。
あまりイチャイチャせず、のんびりまったりですみません。
期待はずれだったでしょうね…。
吉永裕 (2006.6.20)
2006.10.12から一般公開開始。
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