+マジェスの朝+



 
 鳥の鳴き声で目が覚めた。
この高揚感は何だろう。いつもと同じ朝の筈なのに、いつもとは確実に違う自分の感覚。


「私ね、貴方に会えてよかった」
「…私もだ」


祭りの中で見たの笑顔は、それまで会った誰よりも優しく愛しいものだった。
知識として知らなかったわけではない。
感覚・感情として知らなかったそのあるモノの正体に気づいた時には、彼女は自分の腕の中にいた。
女性をこの手で抱き締めたいとか、他の男に取られるかもしれないとか、
そんな邪な感情が自分にもあるなどとは思いもしなかった。
それでもこの感情が邪だとは思いたくもない。
自分にとっては初めての感情。
この想いを前にしてはの何もかもが神聖な、神々しさを放って見える。
きっと自分は閉じられた城の中で、閉じられた関係の中で、決められた相手と婚姻を結ぶものだと諦めていたのに。

――が現れて私の運命は大きく揺らいだ。
彼女の無邪気さが私の眠っていた感覚を呼び起こす。
きっともうこんな相手には出会えない。
彼女は絶対に放したくない。
しかし、この想いは果たして彼女に伝えてもよいものだろうか。

そんな事を想いながら昨日は床に着いたが、起きたらそんな事はもうどうでもよくなっていた。
朝起きて、扉を開けた向こう側に彼女がいる。
そう思うだけでこんなにも幸せなのだと気づいた。

当分はあの緑の石にこの想いを込めて、静かにこの恋という感情を見守っていよう。


――、いつかこの想いをそなたに。





『アークバーンの伝説』ファンの方、お待たせしました!!!
…といってもこんなSSですみません。
全然主人公さん、出てこないし…。


とりあえず、第1弾はレジェンスです。
アンケートで投票されたキャラを優先させようと思ってます^^


というわけで、少しずつ増えていくと思いますので、
温かく見守って頂きたいと思います☆

それでは、またのお越しをお待ちしております^^


吉永裕(2006.4.2)

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