momento fortunae運命の刹那


「ティリアがいずれ継ぎたいと言う
 道場とやらが見たくなった」
第三王子のアルドル殿下は筆頭武官と
三人の兄弟子らを同伴させやって来た

道場には張り詰める空気
集められた通いの門下生らは
殿下に頭を下げ修業を再開し
兄様らも久々にお師匠様と組み手をする

殿下に茶を差し出す私の足元にはスナネコ
いつもと違う雰囲気に気が立っていた
珍しい生き物に気づく殿下
差し出した手に噛み付いたスナネコ
筆頭武官が鬼のような形相を向け剣を抜いた

「殿下に傷を負わせるとはなんたることだ!
 この道場は猫の躾もできないのか!!」
私は殿下の前に進みい出て
「私が責任を」としまっていた剣を取り出す
「奴は飼い主の私が殺しましょう。その後私にも処罰を」

「私が死んでも世界は変わらない。
 けれど生きることでお前が
 生きるのならその為に
 生きようと思ったのが私が八つの頃。

 やはりお前を連れて来るべきではなかった。
 早く野生に戻せばよかった。
 お前を生かしたかったのに
 結局私はお前を殺してしまうだけだった」


「せめて苦しまないように殺してあげるからね」
興奮気味のスナネコに
細い針のような剣を向けて腕を突き出す
スナネコの眉間から引き抜いた剣には赤い滴

唸ることもなく倒れたスナネコ
駆け寄りたい気持ちを抑える
「御前を穢し申し訳ありません。
 どうか次は私に罰を」驚く程に冷めた声が出た

「師匠の為とはいえ愛玩動物を手にかけるとは
 真に義に厚い娘だな。
 お前は太刀筋も恐ろしく美しい。
 気に入ったぞ」と殿下は少し幼げな笑みを見せた

「お前さえよければ、春宮はるのみやへ呼んでもいい。
 勘違いするなよ、
 その年で嫁ぎ先がないのは
 気の毒だと思った余の優しさ故だからな。

 武家の娘といえど第三夫人にはしてやれる。
 腕のたつお前となら
 余も安心して寛げよう。
 ――構わぬな、Mareマレ」と殿下はお師匠様の顔を見た















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※タイトルやローマ字の単語はGoogle 翻訳に任せきりなので文法や言葉の選びが正しくない可能性がありますm(__)m



ご、ご無沙汰しておりますm(__)m
分かる方には分かるでしょうが、某幻想楽団に影響を受けまくって今回叙情詩的なものを書いてみました。
最初の方は曲もそれとなく考えていたのですが、最後の方は言葉を考えるのに精いっぱいで
どんどん文節が長くなってもはや叙情詩ではなくなっておりますが……orz
あと、一度は私もアルビノというメジャーな萌え属性の子を書いて&描いてみたくてっっ。
…と思ったら、『destin』のサルサラ様も見た目はアルビノでした。
体質は全然違いますけれども。

さて、次回から分岐に入ります(多分)
簡単にこの時点でのキャラや状況を説明させていただきますと

◆ヒロイン:アルビノの17歳。とはいえ、私の好みで髪の毛は白金ではなく白銀にしてみました。(絵にする時のことを考えたら私は金色を出すのが苦手でして…)
       兄弟子らの修行を見ていたので、基本的にどんな武器でも人並みに扱えるが一応レイピアが持ち剣。
       特殊な環境で育った為か子どもの頃から精神的に大人。
◆Mare(マレ):道場の師範。59歳だけどバリバリの現役で独女。基本的には何でも教えられるが一応体術が専門。
◆Tillia(ティリア):25歳。口減らしの為に捨てられていたところをマレに拾われ弟子に。ヒロインがやってきた時点では(住み込みで修行している中で)一番年上の兄弟子。
            穏やかで寛容だけど槍を持たせたら敵う者なしの武人。ヒロインに家事を教える係だった。
◆Viola(ウィオラ):24歳。そこそこ名家の三男で優男すぎた為に道場に連れて来られ住み込みで修行させられることに。だが頭を使う方が好き。
            剣の二刀流(手数が多ければ強そう、みたいな理由により)。ヒロインに道具の使い方や作り方を教える(そして作ったものをプレゼントする)係。
◆Laurus(ラウルス):19歳。国でも有数の名家の次男坊。お固くて自分にも他人にも厳しく、文武両道を地で行く。シミターのような刀を使う。
              幼い頃から道場に住み込み(あまり頼りにならない)年上と接していたので子どもの頃から大人びている。ヒロインの生活全般を見てやる係。
◆Ardor(アルドル):16歳。ツンデレ第三王子。…としか言いようがないんですが^^;
◆スナネコ(名前は特になし):最初ヒロインは野生の猫=山猫と思いこんで山猫と呼んでいたが、実際はスナネコという種類だった。可哀相な子。

…こんな感じですが今後も叙情詩ということもあり、詳しい説明も特になく、急に関係が発展したりする可能性がありますので^^;
読んでくださった皆様、ありがとうございました!!!
続きをお楽しみに^^

吉永裕 (2011.3.9)


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