ある日ラウルス兄様が
侍女を連れてやって来た
今から兄様の家に行くらしく
身支度をして馬車に乗る
し慣れない装飾品と化粧が
似合っている筈がないと思うが
期待するような気持ちで
ラウルス兄様を見たけれど
久しぶりのお出かけだというのに
彼は酷く不機嫌そうな面持ちで
「突然のことで驚くと思うし
不快に思うかもしれない。
しかしもう限界だ。
俺はお前をあの場所に置いていたくない。
我儘だとは思っているし
勝手なのは百も承知だ。
それでもには
俺の傍にいて欲しいと思う」
連れてこられたのは兄様の家
彼のお父様に見つめられる
私のような学も芸もない者を
どう思うかそればかりが気がかりで
何故かお師匠様も招かれて
不可思議な食事会が始まった
皆の口ぶりからどうやらこれは
彼の父親への顔合わせのようで
不安がる私に気付いたラウルス兄様が
その場にいた皆の前で宣言する
「は虚弱体質ではありますが
武芸に優れ聡い女性です。
私は彼女を愛しています。
私たちの結婚をお許しください」
「お願いします」と思わず私も願い出る
私が隣にいたいのは
心から愛しているのは
ラウルス兄様しかいないのだから
「“私が死んでも世界は変わらない”
かつてそう言ったが 今はどうだろうか
現時点ではまだ俺は
世界を変えられるような人間ではないけれど
春宮以上に窮屈かもしれないが
これからは俺が
お前の為の剣となり盾となる
に明るい未来を見せたいから」
――嫁いだは仕事に精を出す夫に尽くした
後に出世した夫はその理由を尋ねられた際
方々で内助の功だと公言しているという
サイト7周年に向けてゲームを作っていたのですが頓挫し、小説にしようと思って書き始めたが間に合わず、
尚且つ体調も崩して何も更新できないという事態に陥りそうになったのですが
「これだったらなんとか完結させられるかもしれない!」と思い立ち、慌てて脳内から言葉を振り絞りました。
相変わらず詳しい説明もないですが、この作品のテーマ的に説明文はナシだろうと思ったので
最後まで“ニュアンスで感じてください”とお客様に丸投げしてしまった駄目な私でありますm(__)m
しかしながら、最後まで見てくださってありがとうございました!
ラウルスはツンデレ…かな。
お固くてクールなんだけど、プッツンきたら猪突猛進というキャラです。
あまり個性を出せずに終わってしまいましたが、
ドタバタするラウルス兄様を可愛いと思ってくださった方がいらっしゃったら幸いです。
吉永裕(2012.11.3)
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