幼さを残しながら少し大人びた瞳
彼につられて私は微笑んだ
縛られていたように重かった
手足が今は軽い気がする

自分が連れてきた為に
気遣ってくれているのか
それともただアルドル殿下が
望んでいるだけなのか

翼をもがれた鳥のような私に
彼はよく会いに来てくれる

、また話を聞かせてくれ」

いつものように彼は笑顔で言うと
私の入れたお茶を待つ
昔話をしている時だけ楽しそうだと
殿下は寂しげに言う

王子に親しみを抱いてはいけないのに
彼と一緒に過ごしていると
どこか似ている気がするのです
生きることを諦めたあの時の自分に


自分は誰からも何ひとつ
期待されていないから楽なのだと
前に彼は言ったけれど
苦しげだったのを覚えている

助言も共感もできず
私はただ彼に習ったリラを弾く
手を添えて教える彼の指は
どの兄様のものとも似ていない

熱を帯びた細い指
この手は何を得、失ったのでしょう

「お前は兄上に気に入られていると聞いた」

不意に後ろから聞こえる低い声
手と手が重なる
タキトゥスが時折訪れるからか
女達の噂を真に受けたのでしょう

連れてこられた時は苦手だったのに
何故でしょうか
今の弱気な貴方よりも
いつもの少し傲慢な方がいいと思ってしまう






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※タイトルやローマ字の単語はGoogle 翻訳に任せきりなので文法や言葉の選びが正しくない可能性がありますm(__)m



何となくヒロインが女女してきました^^;
戦う強いヒロインが好きな私としては結構書くのが難しかったりします(;´▽`A``
あ、リラという楽器は竪琴をイメージしてます。
なぜここだけイタリア語なんだwみたいな^^; ラテン語じゃどう読むか分からなかったってのと
リラの方がライアーよりも語呂が良い気がして…。

さて。
気付いた方はすぐ気付いたと思いますが、今回メインキャラの名前は植物の名前、王族は性質を元につけています。
(名前をつけるのが苦手だから毎回大変なんです^^;)
アルドルは情熱。
アルドル殿下はとにかく自分本位。ツンデレからヤンデレになるタイプ(酷い説明w)のイメージで書いています。
二人を二つの円で表わしたら、◎。ヒロインを丸ごと抱え込みたい人。

というわけで、次回でもしかすると終わる…?とか書いていつも終わらないので
多分終わりませんが(苦笑)
ボチボチ終わりに向かっておりますので、是非更新した暁には覘いてみてくださいね^^
読んでくださってありがとうございました!

吉永裕 (2011.7.7)


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