優しい瞳 穏やかな声
思わず彼の胸に抱きついた
縛られていたように重かった
手足が今はとても軽い
殿下に気に入られたらと
思っていたけれど無理だった
私はここでは生きられない
ティリア兄様の下でしか
子どものように優しく抱き上げ
兄様は私に笑いかける
「ねぇ、兄様。私、昔に戻りたい……」
私の言葉で困らせてしまった
けれど耐えられない
知らない人から恋文が届くのも
鳥籠の鳥のように過ごすのも
会える機会は増えたけれど
ここでは満たされない
ねぇ兄様、昔のように一緒に
遠乗りや手合わせをしたいのです
瞼に落とされた唇
ゆっくり見上げた兄様の顔は
酷く困ったような顔だった
私の胸に杭が刺さる
彼の後に来たのは第三王子
暗い顔をした私の手を引く
彼の馬のところへ連れて行き
強引に私を抱え上げた
私を元気づけようとしたのか
それともただの我儘か
「、余の匣係にならぬか?」
匣院を経て妃となるのが通例
妃の中では下位
それでも随分な出世なのだと
アルドル殿下は馬を走らせる
頷けば皆が幸せになれるのだろうか
私以外の皆が
ねぇ兄様、今更になって
自分の幸せを願ってはいけませんか
次の詩へ メニューに戻る
※タイトルやローマ字の単語はGoogle 翻訳に任せきりなので文法や言葉の選びが正しくない可能性がありますm(__)m
何となくヒロインが女女してきました^^;
戦う強いヒロインが好きな私としては結構書くのが難しかったりします(;´▽`A``
さて。
気付いた方はすぐ気付いたと思いますが、今回メインキャラの名前は植物の名前にしております。
(名前をつけるのが苦手だから毎回大変なんです^^;)
ティリアは菩提樹で意味は自由。
ティリア兄様はとにかく甘やかして見守ってくれるイメージで書いています。
ヒロインに自由を与えてくれる人、みたいな。
というわけで、次回でもしかすると終わる…?とか書いていつも終わらないので
多分終わりませんが(苦笑)
ボチボチ終わりに向かっておりますので、是非更新した暁には覘いてみてくださいね^^
読んでくださってありがとうございました!
吉永裕 (2011.7.7)
メニューに戻る